AI時代のホームページ作成:Claude + Cloudflareで追加費用なしで始める
はじめに:「ホームページに費用をかけるのは機会損失」という主張
freeeホームページは、創業期の経営者向けに「最短10分でホームページが作れる」というAIサービスを月額980円(年払い時)で提供しています。
彼らの主張はこうです:
創業時はホームページが必要(融資申請・銀行口座開設など)だが、その準備に費用・労力をかけるのは本業の機会損失につながる
**確かにその通りです。**でも、ホームページ制作のためだけに専用サービスの月額料金を払い続ける必要があるでしょうか?
実は、ホームページ制作はそこまで難しくない
freeeのようなAI活用サービスが登場していますが、実はホームページ自体、それほど難しいことをやっているわけではありません。
今の時代、コード自体の内容を完全に理解していなくても、コマンドをポチポチやるだけで色々なことができてしまいます。
AIによる情報のコモディティ化
重要なのは、AIが登場したことで、ほとんどすべての情報がコモディティ化しているという事実です。
重要なポイント:情報へのアクセスは平等になった。差がつくのは「学ぶ姿勢」だけ。
- ホームページ制作のノウハウ
- SEO対策
- AISEO(AI検索最適化)
- デプロイ方法
- ドメイン設定
これらすべてが、もはや誰でもアクセスできる情報になっています。
だからこそ、ホームページ作りぐらいは自分で触った方がいいに決まっています。専用サービスに任せるのではなく、自分で手を動かすことで、SEOやその他の重要な知識も同時に身につくからです。
「最初はわからないかもしれない」と思うかもしれません。しかし、わからないことこそ、生成AIに全部聞けばいいのです。
AIにとにかく何でも聞く、この姿勢が極めて重要です。
大切なのは:
- 生成AIに質問すること
- AIから返ってくる膨大な情報を読むこと
- その内容を自分で消化していくこと
- わからないことをまた質問すること
AI時代の学習サイクル:この繰り返しが成長を生む
この地道なプロセスを繰り返し、膨大な量を自分で消化していく機会を持った人しか、結局、個人事業で成功することはできません。
専用サービスに月額料金を払って「簡単に済ませる」のは楽です。しかし、それでは学びの機会を失います。
創業期だからこそ、地道に学んでいきましょう。
より賢い選択:Claude + Cloudflareの組み合わせ
2025年現在、以下のツールを組み合わせれば、ホスティング費用0円でより柔軟なホームページを作成できます:
- Claude(月額20ドル〜):汎用AIアシスタント
- ホームページ制作だけでなく、文書作成、コード生成、リサーチ、アイデア出しなどあらゆる業務に活用可能
- ビジネス全般で極めて優秀なツールとして、すでに契約している方も多い
- Cloudflare Pages(無料):ホスティング・デプロイ
所要時間:5〜10分 | Claude月額20ドル(他の業務にも使用可)+ Cloudflare無料
なぜこの組み合わせが賢いのか
ポイント1:Claudeは汎用ツール
Claudeはホームページ制作専用ツールではありません。以下のような業務にも使える万能AIアシスタントです:
- 📝 メール・提案書・契約書などの文書作成
- 💻 業務自動化のためのコード生成
- 🔍 市場調査・競合分析
- 💡 企画・アイデアブレインストーミング
- 📊 データ分析・レポート作成
すでにClaude契約があれば、ホームページ制作に追加費用は一切かかりません。
ポイント2:自由度が圧倒的に高い
| 項目 | freeeホームページ | Claude + Cloudflare |
|---|---|---|
| 用途 | ホームページ制作のみ | 汎用AI(ホームページも作れる) |
| 月額費用 | 980円〜1,480円 | 20ドル(約3,000円)※他業務にも使用可 |
| カスタマイズ性 | 低(テンプレート固定) | 高(HTML/CSS完全制御) |
| ページ数制限 | 1ページのみ | 無制限 |
| 独自ドメイン | 非対応(f-hp.jp固定) | 対応(追加費用なし) |
| ホスティング費用 | 月額料金に含まれる | 0円(Cloudflare Pages) |
実践:10分でホームページを作成してCloudflareにデプロイする
それでは、実際の手順を見ていきましょう。
ステップ1:Claudeでホームページを生成
Claudeに以下のように指示するだけです:
シンプルなビジネス用ホームページをHTMLで作成してください。
内容:
- 会社名: 株式会社サンプル
- 事業内容: Webコンサルティング
- 連絡先: info@example.com
- セクション: ヘッダー、サービス紹介、会社概要、お問い合わせ
デザインは:
- モダンでクリーンなデザイン
- レスポンシブ対応
- 1ページ構成
Claudeは数秒で以下のようなHTMLを生成します:
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>株式会社サンプル - Webコンサルティング</title>
<style>
* {
margin: 0;
padding: 0;
box-sizing: border-box;
}
body {
font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, "Segoe UI", sans-serif;
line-height: 1.6;
color: #333;
}
header {
background: linear-gradient(135deg, #667eea 0%, #764ba2 100%);
color: white;
padding: 2rem 0;
text-align: center;
}
header h1 {
font-size: 2.5rem;
margin-bottom: 0.5rem;
}
header p {
font-size: 1.2rem;
opacity: 0.9;
}
.container {
max-width: 1200px;
margin: 0 auto;
padding: 0 2rem;
}
section {
padding: 4rem 0;
}
section h2 {
font-size: 2rem;
margin-bottom: 2rem;
text-align: center;
color: #667eea;
}
.services {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(auto-fit, minmax(300px, 1fr));
gap: 2rem;
margin-top: 2rem;
}
.service-card {
padding: 2rem;
border: 2px solid #e0e0e0;
border-radius: 8px;
transition: transform 0.3s, box-shadow 0.3s;
}
.service-card:hover {
transform: translateY(-5px);
box-shadow: 0 10px 20px rgba(0,0,0,0.1);
}
.service-card h3 {
color: #764ba2;
margin-bottom: 1rem;
}
.about {
background: #f7f7f7;
}
.about-content {
max-width: 800px;
margin: 0 auto;
}
.info-table {
width: 100%;
border-collapse: collapse;
margin-top: 2rem;
}
.info-table th,
.info-table td {
padding: 1rem;
text-align: left;
border-bottom: 1px solid #ddd;
}
.info-table th {
background: #667eea;
color: white;
width: 30%;
}
.contact {
text-align: center;
}
.contact-info {
font-size: 1.2rem;
margin-top: 2rem;
padding: 2rem;
background: #f0f0f0;
border-radius: 8px;
display: inline-block;
}
footer {
background: #333;
color: white;
text-align: center;
padding: 2rem 0;
}
@media (max-width: 768px) {
header h1 {
font-size: 2rem;
}
section {
padding: 2rem 0;
}
.services {
grid-template-columns: 1fr;
}
}
</style>
</head>
<body>
<header>
<div class="container">
<h1>株式会社サンプル</h1>
<p>あなたのビジネスを次のステージへ</p>
</div>
</header>
<section id="services">
<div class="container">
<h2>サービス紹介</h2>
<div class="services">
<div class="service-card">
<h3>戦略コンサルティング</h3>
<p>貴社のビジネス課題を分析し、デジタル戦略の立案から実行までをサポートします。</p>
</div>
<div class="service-card">
<h3>Web制作・開発</h3>
<p>目的に応じた最適なWebサイトの企画・制作を行います。レスポンシブ対応は標準装備。</p>
</div>
<div class="service-card">
<h3>運用サポート</h3>
<p>公開後の運用・保守、SEO対策、アクセス解析など、継続的な改善をサポートします。</p>
</div>
</div>
</div>
</section>
<section id="about" class="about">
<div class="container">
<h2>会社概要</h2>
<div class="about-content">
<table class="info-table">
<tr>
<th>会社名</th>
<td>株式会社サンプル</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>Webコンサルティング事業</td>
</tr>
<tr>
<th>設立</th>
<td>2025年1月</td>
</tr>
<tr>
<th>所在地</th>
<td>東京都渋谷区</td>
</tr>
</table>
</div>
</div>
</section>
<section id="contact" class="contact">
<div class="container">
<h2>お問い合わせ</h2>
<div class="contact-info">
<p>サービスに関するご質問・ご相談はこちらまで</p>
<p style="margin-top: 1rem; font-weight: bold; color: #667eea;">
📧 info@example.com
</p>
</div>
</div>
</section>
<footer>
<div class="container">
<p>© 2025 株式会社サンプル. All rights reserved.</p>
</div>
</footer>
</body>
</html>
ステップ2:Cloudflare Pagesにデプロイ
生成されたHTMLをindex.htmlとして保存し、Cloudflare Pagesにデプロイします。
⚠️ 重要:デプロイ方法の選択は最初が肝心です
Cloudflare Pagesには2つのデプロイ方法があり、最初にどちらを選ぶかでその後の運用が決まります:
- Wrangler CLIで先にデプロイ → Direct Uploadモードに固定される → 後からGit連携はできない
- GitHubと連携してデプロイ → Git Integrationモードに固定される → Wrangler CLIでの直接アップロードはできない
つまり、Git連携(自動デプロイ)を使いたい場合は、絶対に最初にGitHubにpushしてからCloudflareで設定してください。
方法1:GitHubと連携(CI/CD)- 自動デプロイしたい場合
この方法を選ぶ場合は、最初にGitHubにpushしてからCloudflareで設定してください。
- GitHubリポジトリを作成
index.htmlをpushgit init git add index.html git commit -m "Initial commit" git remote add origin https://github.com/yourusername/my-website.git git push -u origin main- Cloudflare Dashboardで「Pages」→「プロジェクト作成」
- 「Gitに接続」を選択し、GitHubリポジトリを接続
- ビルド設定(今回は静的HTMLなので設定不要)
- 「保存してデプロイ」
以降、GitHubにpushするたびに自動デプロイされます。
方法2:Wrangler CLIを使う(Direct Upload)- 手動デプロイでOKな場合
この方法を選ぶ場合は、GitHub連携は後から設定できません。
# Cloudflareにログイン(初回のみ)
npx wrangler login
# プロジェクトディレクトリを作成
mkdir my-website
cd my-website
# index.htmlを配置(Claudeが生成したものをコピー)
# Cloudflare Pagesにデプロイ
npx wrangler pages deploy . --project-name=my-business-site
デプロイ後、https://my-business-site.pages.devのようなURLで即座に公開されます。
ステップ3:独自ドメインの設定(オプション)
Cloudflare Pagesで独自ドメインを使う場合:
- ドメインを取得(年間10ドル程度〜)
- Cloudflare Registrarなら年間10ドル前後
- 他のレジストラ(お名前.com、ムームードメインなど)でも可
- Cloudflare Dashboardで「カスタムドメイン」を追加
- DNSレコードを設定
- SSL証明書が自動発行される(無料)
コスト:ドメイン登録料のみ年間10ドル程度(ホスティング・SSL証明書は無料)
freeeホームページはf-hp.jpのサブドメイン固定ですが、Cloudflareなら完全に独自ドメイン(例:yourcompany.com)が使えます。
freeeホームページとの機能比較
| 機能 | freeeホームページ | Claude + Cloudflare |
|---|---|---|
| 生成速度 | 10分 | 5分(Claudeは数秒、デプロイ数分) |
| ホスティング費用 | 月額980円〜1,480円 | 0円(Cloudflare Pages) |
| ページ数 | 1ページのみ | 無制限 |
| カスタマイズ性 | 低(テンプレート固定) | 高(HTMLを完全制御) |
| 独自ドメイン | 非対応(f-hp.jp固定) | 対応(無料) |
| 問い合わせフォーム | 非対応 | 実装可能(Cloudflare Formsなど) |
| SEO対策 | 基本機能あり | 完全制御可能 |
| SSL証明書 | あり | あり(無料・自動更新) |
| 他業務への活用 | 不可 | 可(Claudeは汎用AIツール) |
さらなるカスタマイズ例
Claudeに以下のような指示を追加すれば、さらに高度なサイトも作れます:
上記のHTMLに以下を追加してください:
- お問い合わせフォーム(Cloudflare Formsを使用)
- スムーズスクロール機能
- ハンバーガーメニュー(モバイル対応)
- Google Analyticsタグ
freeeホームページでは実現できない機能も、Claudeなら自由に実装できます。
まとめ:創業期だからこそ、生成AIを使いこなす
freeeホームページの「機会損失を避ける」という主張は正しいです。しかし、もっと重要なのは、生成AIを積極的に事業に取り入れていくことではないでしょうか。
AI時代の創業に必要な視点
2025年現在、生成AIの進化は加速しています。これは:
- 学び続けるしかない領域:新しいツールや機能が次々に登場している
- これまでのやり方を変える必要がある:従来の手法に固執していては取り残される
- 創業期こそAIを使いこなす絶好の機会:既存の仕組みがない分、最新技術を導入しやすい
Claude + Cloudflareのメリット:
✅ Claudeは汎用AIツール(ホームページ以外の業務にも活用可能) ✅ ホスティング費用0円(Cloudflare Pages) ✅ 高い自由度(HTMLを完全制御、無制限のページ数) ✅ 独自ドメイン対応(ドメイン登録料のみ年間10ドル程度) ✅ スケーラブル(Cloudflareのグローバルネットワーク) ✅ 学びの機会(技術スキルの向上)
これからの時代の創業
ホームページ制作は、生成AIを事業に取り入れる第一歩に過ぎません。
Claudeのような生成AIツールを使いこなせるようになれば:
- 事業計画書・提案書の作成
- マーケティング戦略の立案
- 業務プロセスの自動化
- データ分析とレポート作成
など、あらゆる業務が変わります。
AIを使いこなすための現実
ただし、誤解してはいけないのは、AIは魔法の杖ではないということです。
練達のプログラマが「AIを使って半日でアプリケーションを作った」という話をよく聞きます。しかし、プログラミングの基礎も知らない人がいきなりそうなることはありません。
AIはできる人の成果をブーストするもので、AIがあるから楽できるというものではありません。
AIを使うと膨大な情報が出力されます。その膨大な情報を処理できるだけの下地がないと、出力されたコードは形になりません。また、膨大な情報を読み解けるだけの知性が無ければ、AIを使って学習しても効果は薄いです。
重要な原則:
学習を加速させることはあっても、学習を不要にするものではありません。
AIをプログラミングに活用して結果を出せる人は、元々コードを自分で読み書きできる人です。素人が場当たり的な質問でコードを完成させることはできません。
では、AIを使いこなせるようになるには?
答えは、自分の情報処理能力を上げることです。
最も有効なのが:
- 読書習慣:いっぱい本を読む
- モノを書く習慣:ちゃんとメモを取って内容をまとめる
こういう地道な実践が、AIを使いこなすのに必要です。
**AIツールを使っているかどうかは、ある意味で「学び続ける姿勢があるか」のリトマス紙です。**使うしかないのに、まだ使っていない人は、おそらく学びたくないのでしょう。
創業期だからこそ、専用サービスに頼るのではなく、生成AIを使いこなす力を身につけましょう。
Claudeに指示を出すだけで、プロフェッショナルなホームページが数分で完成します。あとはCloudflareにデプロイするだけ。
これがAI時代の創業のスタートです。学び続ける姿勢を持って、どんどん生成AIを使いこなしていきましょう。