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P/Eレシオ スプレッド分析

株価収益率(P/E)の過去12ヶ月実績(LTM: Last Twelve Months)と来期予想(NTM: Next Twelve Months)の差額を分析。 差額が大きいほど、市場は将来の利益成長を期待していることを示す。

データ取得日: 2025年12月10日

: P/EはGAAPベースの数値。M&A関連の償却費や一時費用が含まれるため、特にAVGOなど買収を行った企業のLTM P/Eは実質的な収益力より高く表示される場合がある。

P/E スプレッド vs P/E (NTM) 散布図

X軸: スプレッド(LTM - NTM)、Y軸: P/E (NTM)

象限分析

象限特徴銘柄
右上 (高Spread・高NTM P/E)高成長期待&高バリュエーションAVGO
左上 (低Spread・高NTM P/E)安定成長だが既に高評価ASML, AAPL, AMZN, GOOGL, MSFT, MA, MCO
右下 (高Spread・低NTM P/E)高成長期待&割安NVDA, META, TSM
左下 (低Spread・低NTM P/E)成熟・低成長・バリューBAC, KO, AXP, V

注目ポイント

  • TSM: スプレッド3.9、NTM P/E 20.5。AI半導体需要の最大の受益者でありながら、バリュエーションは控えめ。地政学リスク(台湾)がディスカウント要因か
  • NVDA: スプレッド19.2でNTM P/E 26.6は、成長期待に対して相対的に割安
  • ASML: スプレッド2.3なのにNTM P/E 37.0は、成長鈍化懸念か
  • META: スプレッド6.6でNTM P/E 22.4は、成長性に対してバリュエーションが低め

P/E スプレッド(LTM - NTM)バーチャート

データ詳細

ティッカー企業名P/E (LTM)P/E (NTM)スプレッド
AVGOBroadcom104.4x48.2x56.2
NVDANVIDIA45.8x26.6x19.2
MCOMoody's39.2x30.4x8.8
METAMeta Platforms29.0x22.4x6.6
VVisa32.0x25.5x6.5
MSFTMicrosoft35.0x29.6x5.4
MAMastercard34.4x29.2x5.2
TSMTSMC24.4x20.5x3.9
AAPLApple37.2x33.6x3.6
AXPAmerican Express24.5x21.9x2.6
ASMLASML39.3x37.0x2.3
BACBank of America14.6x12.6x2.0
AMZNAmazon32.2x30.6x1.6
GOOGLAlphabet31.3x29.8x1.5
KOCoca-Cola23.2x21.9x1.3

分析ポイント

高スプレッド銘柄(成長期待大)

  • AVGO (56.2): 半導体・AI関連銘柄。LTM P/E 104.4xはGAAPベースの数値で、VMware買収関連の償却費・統合コストが含まれるため高い。NTMではこれらの影響が正常化し、48.2xまで低下する見込み
  • NVDA (19.2): AI・データセンター需要で引き続き高い利益成長が見込まれる
  • MCO (8.8): クレジット格付け事業の安定成長に加え、データ分析事業の拡大期待

低スプレッド銘柄(成熟企業)

  • KO (1.3): 安定的なキャッシュフロー、成長より配当重視の成熟企業
  • GOOGL (1.5): 広告市場の成熟化とAI投資コストによる利益圧迫懸念
  • AMZN (1.6): AWS成長の鈍化とeコマース競争激化の影響