毎朝の日記生成が終わったあと、そのままチェーンで決算モニタリングの2ステップを走らせた。コマンドを1回叩くと、自分が定点観測する半導体3銘柄の精緻データが Turso に1日分積み上がり、続けて市場全体のビート&レイズが X から5銘柄ぶん拾い上がってくる。精緻に追う銘柄と、ざっくり広く拾う銘柄を分ける、という運用がようやく1コマンドで回るようになった日。
二段構えの考え方
朝の /make-diary の末尾から、決算自動化が2ステップ続けて発火するようにしている。
/check-earnings— 自分が追う NVDA / MU / SNDK の3銘柄だけ、Koyfin の推定値を精緻に取って Turso に日次スナップショットを積むearnings-beat-scan— 3銘柄以外の市場全体について、x-search で過去24時間の「ガイダンス上方修正 + EPS5%以上ビート」をざっと拾う
精緻に追う銘柄は数を絞って毎日同じフォーマットでデータを溜める。それ以外は広く浅く、X の決算反応から異常値だけすくう。この線引きをパイプラインに固定したら、毎朝の決算チェックで迷わなくなった。
ステップ1: 半導体3銘柄の精緻データを Turso に積む
/check-earnings は3つの仕事を順にこなす。
- Koyfin の内部APIを叩いて NVDA / MU / SNDK のコンセンサス推定(売上・EPS 等)を取得し、JSON に落とす
- その JSON を Turso(libSQL/SQLite互換クラウドDB)の
consensus_estimatesテーブルへ UPSERT して、日次スナップショットとして積む - SEC EDGAR の 8-K を見て新規開示が出ていないか確認する
8-K は新規開示なし。Koyfin の推定は前回スナップ(2026-05-22)から土日を挟んで2日ぶりの比較になった。
NVDA: 足元据え置き・中期引き上げ
NVDA は30項目中 18 が上方、12 が下方で、平均 +0.22% の小幅な上方修正バイアス。特に中期 FY2028 が前に出ていた。
| 期 | 指標 | 変化 |
|---|---|---|
| FY2028 | eps_adj | +1.03% |
| FY2028 | sales | +0.88%(+4.69B) |
| FY2028 | eps_gaap | +0.65% |
| FY2027(足元) | 4Q sales | -0.49% |
| FY2027(通期) | sales | -0.06% |
| FY2029(先) | 全体 | ほぼフラット |
足元 FY2027 を据え置き気味に削りつつ、中期 FY2028 を引き上げる。需要を先取りに織り込みにいく典型のパターンに見えた。しかも FY2028 は EPS の上振れ(+1.03%)が売上の上振れ(+0.88%)を上回っている。売上以上に利益が伸びる前提、つまりマージン改善期待が先に織り込まれている、という読み方ができる。
MU / SNDK: 変化なし
MU と SNDK は2日ぶりの比較で動きなし。動かなかった事実も、毎日同じテーブルに積んでいるから「動かなかった」と即断できる。スナップを溜めていなければ「見てない」と「変わってない」の区別がつかない。
ステップ2: 市場全体のビート&レイズを x-search で拾う
3銘柄を積み終えたら、earnings-beat-scan が市場全体に視野を広げる。x-search(Grok 経由の X 投稿検索)で過去24時間の決算反応をなめて、ガイダンス上方修正と EPS5%以上ビートが揃った銘柄を抜き出す。
ビート&レイズが5銘柄ヒットした。
| ティッカー | 主な数値 | 株価反応 |
|---|---|---|
| ROST | Q1 EPS +20.2%、通期ガイダンス上方修正 | +5.7% AH |
| ZM | FY2027 EPSガイダンス中央値 +$0.19 / +3.3% レイズ | +8.2% AH |
| TJX | EPS +19%、ガイダンス上方修正 | — |
| TOL | EPS +5.4%、ガイダンス上方修正 | — |
| KEYS | record quarter、ガイダンス上方修正 | — |
ROST の Q1 EPS +20.2% が今回いちばん跳ねた。ZM は >$100K ARR 顧客が +8.2% YoY と数字を残す一方、SMB はまだ弱い、という濃淡まで X の反応から拾えた。
EPS は大きくビートしたがガイダンスのレイズが確認できなかった銘柄も別枠でメモした。RL +10.2%、WDAY +18.2%(ただし売上ミス)、WSM +7.2%、BJ +6.7%。EPS だけ跳ねてガイダンスが追いついていないものは、ビート&レイズとは分けて扱う。
ざっと眺めて2つのテーマが浮かんだ。
- オフプライス小売の強さ — ROST と TJX が揃ってビート&レイズ。消費者が高級からディスカウントへ trade-down している動きが、決算の数字として表に出てきた
- エンタープライズSaaSのレイズ — ZM が通期 EPS ガイダンスを引き上げた
ひとつ釘を刺しておく。x-search の数値は Grok が X 投稿を要約したものなので、確定値ではない。実際にポジションを取る前には各社IRの決算リリース・8-K・トランスクリプトで裏取りする。スキャンはあくまで「どこを見にいくか」の当たりをつける道具として使う。
人間が決める係、パイプラインが回す係
この2ステップで自分が手を動かしたのは、結局「どの銘柄を精緻に追うか」と「出てきた数字をどう解釈するか」だけだった。
- 自分が決める: NVDA/MU/SNDK を定点観測対象に選ぶ、NVDA の「足元据え置き・中期引き上げ」をマージン先取りと読む、ROST/TJX を trade-down テーマとして束ねる
- Claude Code に回してもらう: Koyfin API 叩き、JSON 保存、Turso への UPSERT、EDGAR 8-K チェック、x-search でのビート抽出、通知フォーマットへの整形
データ取得・DB蓄積・要約は全部パイプラインに任せて、自分は判断と解釈に集中する。コマンド1回で毎朝この分担が立ち上がるのが、いまの一番気に入っているところ。
学び
- 精緻と粗を分けると効率がいい — 全銘柄を精緻に追うのは無理。追う銘柄を絞って毎日同じフォーマットで積み、それ以外は X の反応から異常値だけ拾う、の二段構えが回る
- スナップを溜めると「動かなかった」が情報になる — MU/SNDK が変化なしと即断できたのは、毎日同じテーブルに積んでいるから
- x-search は当たりをつける道具 — Grok の要約値は確定値ではない。スキャンで候補を出し、裏取りは各社IRで別途やる、と割り切る
税理士・会計士のフォロワー視点で1行重ねるなら、決算数値を毎朝同じフォーマットで蓄積していくこの仕組みは、月次の数字を毎月同じ並びで定点観測する習慣にそのまま通じる。フォーマットを固定して積み続けるからこそ、ある月だけ動いた科目が一目で浮かび上がる。