「未来10年で勝つ30銘柄」のX投稿を、自分の決算ビートモニタリングと突き合わせた
Xで「1000社の決算書を読み漁り、未来10年で階層を超えられるのは、この30銘柄の米国株だけだ」という煽り文句つきの銘柄リストが回ってきた。「30銘柄」と謳いながら番号を数えると実際には33銘柄ある。半導体・電力網・銅・ウラン・原子力・宇宙と、AI時代の「道具売り」を広く拾ったリストだ。
自分は別途、決算ビートモニタリング(/beat-monitoring)で28銘柄を「連続ビートしているか」という軸で追っている。そこで、この33銘柄リストと自分のモニタリング銘柄を突き合わせ、
- どれが重複していて、どれが重複していないか
- 重複していない(=まだモニタしていない)銘柄のうち、直近4四半期で本当に決算ビートしているのはどれか
を調べた記録。判定の本命データは信頼できる金融ソースのWeb横断、X(旧Twitter)側は x-search スキル(Grok-4.20-reasoning)で裏取りに使った。
Step 1: 33銘柄 × モニタリング28銘柄の突き合わせ
集合は3つに分かれた。
重複(13銘柄)— 既にモニタしていて、ビート確認済み
NVDA / AMD / MU / SNDK / WDC / DELL / AVGO / MRVL / AAOI / NBIS / PLTR / SMCI / INTC
このリストとモニタリングが一致する13本。AI半導体・メモリ・ストレージ・AIインフラの中核で、ここは追加調査不要。
テキスト側のみ(20銘柄)— このリストにあって、自分は未モニタ
| Ticker | 銘柄 | リストでの位置づけ |
|---|---|---|
| GLW | Corning | 光通信・特殊ガラス |
| NVTS | Navitas | 第三世代半導体・電源 |
| VRT | Vertiv | データセンター冷却 |
| IREN | IREN | BTCマイニング→AI計算力 |
| ETN | Eaton | 電力網 |
| PWR | Quanta Services | 電力インフラ建設 |
| HUBB | Hubbell | 送配電機器 |
| GEV | GE Vernova | エネルギー・電化 |
| FCX | Freeport-McMoRan | 銅 |
| TECK | Teck Resources | 銅資源 |
| SCCO | Southern Copper | 銅 |
| MP | MP Materials | レアアース |
| UUUU | Energy Fuels | ウラン |
| SMR | NuScale | SMR原子炉 |
| OKLO | Oklo | 新型原子力 |
| TSLA | Tesla | EV/ロボット/AI |
| RKLB | Rocket Lab | 商用宇宙 |
| ASTS | AST SpaceMobile | 衛星直結スマホ |
| LUNR | Intuitive Machines | 月面 |
| BKSY | BlackSky | 衛星データ |
この20本がスクリーニングの対象。
モニタ側のみ(15銘柄)— 自分は追っているが、このリストには無い
ALAB / CRDO / STX / COHR / RDDT / BE / 4062 / APP / NOW / COIN / CVNA / LLY / HIMS / MDGL / CAVA
補足: ALAB(Astera Labs)・CRDO(Credo)はこちら側。リスト#10「Applied Optoelectronics(AAOI)」と混同しやすいが、33銘柄リストにAstera/Credoは登場しない。
Step 2: 未モニタ20銘柄の直近4四半期ビート履歴
「EPS/売上の○/4」は直近4四半期で実績がアナリストコンセンサスを上回った回数。EPSは原則アナリストが見る調整後(non-GAAP)基準。最新Qは2026年4〜5月発表分。
① ビート&レイズが明確(モニタリング追加の最有力)
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | ガイダンス | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| PWR | Quanta Services | 4/4 | 4/4 | 毎Q上方 | ◎ 最も明確なビート&レイズ |
| VRT | Vertiv | 4/4 | 2/4(他は同水準) | 毎Q上方 | ◎ 調整後EPS連続ビート&FY上方 |
| ETN | Eaton | 4/4 | 3/4 | 3/4で上方 | ◎ ビート&レイズ |
3本とも「AIデータセンター冷却/電力網/電力インフラ」で、既存モニタリングのテーマ(AIインフラの本命)と最も親和性が高い。
代表的な数字:
- PWR: Q1 FY26(4/30)adj EPS
2.68 vs2.04(+31%)、売上7.87B vs7.0B(+12%)、FY26ガイダンスを上方。4四半期すべてでEPS・売上ビート+ガイダンス上方。 - VRT: Q1 FY26(4/22)adj EPS
1.17 vs1.00(+約17%)、FY26をsales13.5–14.0B / adj EPS6.30–6.40へ上方。受注バックログ約$15B、Q4の有機受注 +252%。売上はコンセンサス近辺だがEPSは毎Q大幅ビート。 - ETN: Q1 FY26(5/5)adj EPS
2.81 vs2.73、売上7.45B vs 約7.11B(+約4.8%)。データセンター受注 約+240%。FY26 adj EPS $13.05–13.50へ上方。直近4Qで3回ガイダンス上方。
② 連続ビートだが留意点あり
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | 留意点 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| GLW | Corning | 4/4 | 4/4 | EPSは小幅(core非GAAP)、決算で株価下落の回も | ○ |
| FCX | Freeport-McMoRan | 4/4 | 4/4 | Q1'26でGrasberg減産ガイダンス下方 | ○ |
| SCCO | Southern Copper | 4/4 | 4/4 | 2026年の銅生産ガイダンスは慎重 | ○ |
| TECK | Teck Resources | 4/4 | 3/4 | Q2'25売上ミス。数値はソース差が大 | ○ |
| RKLB | Rocket Lab | 3/4 | 4/4 | 赤字企業(「ビート」=想定より赤字が小さい) | ○※ |
③ EPSは強いが売上に弱さ/EPSが小額で意味が薄い
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | 留意点 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| HUBB | Hubbell | 4/4 | 1/4 | EPSビートも売上軟調、決算で株価下落 | △ |
| MP | MP Materials | 4/4 | 3/4 | EPSがほぼゼロ近辺で%が無意味(DoD価格保証益が押し上げ) | △ |
④ 売上は堅調・EPSはまちまち
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | 留意点 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| GEV | GE Vernova | 2/4(調整後) | 4/4 | 売上は連続ビート。GAAP巨額EPSとの混同に注意 | △ |
| TSLA | Tesla | 2/4 | 3/4 | EPSむら(直近Q1'26はEPSビート・売上ほぼ同水準) | △ |
⑤ 高ボラ/ミックス〜弱い
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | 留意点 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| IREN | IREN | 2/4 | 2/4 | 直近2Qは大幅ミス(BTC採掘→AIクラウド移行で減損) | ✗ |
| BKSY | BlackSky | 2/4 | 1/4 | 売上は3/4でミス。EPSビートはコスト削減由来 | ✗ |
| NVTS | Navitas | 1/4 | 2/4 | 売上トラフの移行期、ガイダンス下方 | ✗ |
⑥ 事実上プレレベニュー/コンセンサス不適/連続ミス
| Ticker | 銘柄 | EPS | 売上 | 留意点 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| UUUU | Energy Fuels | ~0/4 | 売上は成長 | GAAP EPSは連続ミス、EPSガイダンス無し | ✗ |
| SMR | NuScale | 0/4 | 0/4 | 事実上プレ商用、売上コンセンサスが不安定 | ✗ |
| OKLO | Oklo | ~1/4 | プレレベニュー | 売上ゼロ、キャッシュバーンガイダンスのみ | ✗ |
| ASTS | AST SpaceMobile | ~1/4 | 不安定 | 早期レベニュー、EPSは概ね連続ミス | ✗ |
| LUNR | Intuitive Machines | 0/4 | 0/4 | EPS・売上とも連続ミス | ✗ |
Step 3: X側(Grok)の裏取り
x-search(Grok-4.20-reasoning)でも同じ20銘柄を投げた。X投稿は「速報のbeat&raise」には強い一方、4四半期分の履歴照合には弱く大半が n/a だった。ただしWeb調査と矛盾しない裏取りは取れた。
- X側で確認できたビート: GLW(Q3'25 EPS
0.67 vs0.66)、GEV(Q2'25 EPS1.86 vs1.54)、FCX(Q2'25 EPS0.54 vs0.45)、TSLA(Q1'26 EPS0.41 vs0.34) - X側で確認できたミス: IREN(直近Qで売上 −約35% の大幅ミス。ただしNVIDIAとの$3.4B AIクラウド契約は別途好材料)
- OKLO は売上$0(プレレベニュー) とX側でも明言 → Web調査と一致
教訓として、X検索は「24時間以内の新規ビート速報」を拾う earnings-beat-scan 的な用途には向くが、「ある銘柄の過去4四半期の実績 vs コンセンサス」を埋めるにはソースとしてスパースすぎる。履歴の網羅はstockanalysis.com / Zacks / 各社IR / SEC 8-K を横断するWeb調査の方が信頼できる。
結論
「直近4四半期で決算がビートしている銘柄」を、EPS・売上ともに安定ビート+ガイダンス上方で厳密に絞ると PWR / VRT / ETN の3本。これにコモディティ系の連続ビート FCX・SCCO・TECK、小幅ながら4/4の GLW、赤字縮小ベースで連続ビートの RKLB が続く。
既存モニタリングのテーマ(AIインフラ・電力の本命の連続ビート)に最も合うのは VRT(DC冷却)・ETN(電力網)・PWR(電力インフラ)。この3本を beat-monitoring に追加する。
逆に、SMR・OKLO・ASTS・LUNR は事実上プレレベニューで、コンセンサス自体が不安定。「決算ビート」という軸では評価が成立しないため、このモニタリングの対象外とする(テーマ株としての妙味とは別の話)。
注意・方法論
- EPS判定は調整後(non-GAAP)基準。GEV・TSLA・FCX 等は GAAP EPS が大きく乖離するため、GAAP希薄化EPSで判定すると逆の結論になる。
- 数値の最終確定は各社 IR / SEC 8-K で要確認(特に TECK は通貨・グロス/ネット表示でソース差が大きい)。
- 調査手順: 突き合わせは手作業。20銘柄のビート履歴は4本の並列リサーチサブエージェント(5銘柄ずつ、WebSearch横断・複数ソース突き合わせ)に委譲し、main文脈の肥大化を避けた。X側は
x-searchスキルを2バッチ(10銘柄ずつ)で実行。 - 本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではない。